世界一過酷な耐久レースとして知られるフランスのル・マン24時間レース。日本車がル・マン参戦を開始したのは1970年代であるが、本格的に自動車メーカーが自らの技術力の誇示とプライドをかけてワークス参戦するようになったのは1980年代に入ってからである。
中でも力を入れていたのが日産とトヨタ、マツダの3社だが、当初は完走すらままならない状況が続く。
参戦カテゴリーはグループC、市販車とは関連性の無い低く平べったいレース専用の車体の中央に強力なエンジンを積むマシーンでの参戦が主となり、中でもマツダは他社とは全く異なる構造を持つロータリーエンジンを使用したが、耐久性を心配する声もある中、1991年のル・マン24時間レースで、見事24時間をトップで走りぬき日本車初の総合優勝を獲得している。
ル・マン24時間史上初のロータリーエンジン車での優勝という偉業は今後も同レースの歴史の象徴的な出来事として語り継がれていくことだろう。